2016年1月12日火曜日

メトニミーか? メタファーか?

コノテーション(connotation:共示)が引き起こすのが「比喩」ですが、この現象にはメトニミー(metonymy:換喩)とメタファーmetaphor:隠喩)の2つのパターンがあります。

前者は「隣接性」による比喩であり、後者は「類似性」による比喩です。

メトニミーでは「王冠」という言葉で「王様」を、「縄のれん」という言葉で「居酒屋」を示します。

一方、メタファーでは「」という言葉で「平和」を、「」という言葉で「武闘派」を、それぞれ示します。 


差異化手法では言葉はもとより、カラー、デザイン、ネーミング、ストーリーなどの記号でも、さまざまな形でメタファーを多用していますが、その中からカラーの事例をあげておきましょう。 
これらのカラー手法をもっとも単純に用いているケースが交通信号です。

赤=通行禁止、黄=通行停止、緑=通行許可というメタファーを、色彩という記号で直接表現しています。

もともとは上にあげたような、赤、黄、緑の表す比喩が応用されたものですが、長く使われている間に、それが固定化し、今では元のコノテーションが忘れられて、デノテーション化しています。

危険物や進入禁止を示す記号として、しばしば赤や黄が使われ、逆に安全物や通行可能を青が示しているのも、同様のケースです。

同じようにカラーを用いるケースでも、モノ次元の応用は欲動を対象にした感覚界向けですが、デノテーション次元の応用は欲求を対象にした日常界向けが多くなります。

これに対し、カラーがコノテーションを起こして、独自のシニフィエを持つのは、欲望に向けた記号界の現象が多く、これこそ差異化としてのカラー手法といえるでしょう。

差異化手法とは、記号の持つ、こうした機能を、積極的に駆使するものですが、その結果、さまざまな弊害も生み出すことにもなります。

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