2016年4月27日水曜日

「差異」より「深化」を!

需要側の主体である個々人が、新たな方向へ向かうとすれば、生活資材の供給側である企業は、どのような行動をとればいいのでしょうか。

いうまでもなく、個々人の象徴・感覚領域へ無遠慮に侵入したり、好都合な方向へ誘導するような行動が許されるものではありません。もしも強引にそんなことをすれば、より激しい拒否やもっと厳しい排除に出会うことになるでしょう。

そうした事態を考えると、企業や非営利組織などが、外側から応援できることは、次のような行動に限られてきます。


個々人の感覚回復を支援すること。具体的にいえば、言語以前の体感的、直感的な次元への回帰を支援するため、原始的な生活や動物に囲まれた環境を提供する「原始・動物力支援」、温泉浴、森林浴、海水浴など、生れたままの人間に立ち戻って、伸びやかに自然と戯れられるような環境を創り出す「体感・感覚力支援」などが考えられます。

無意識への回帰を支援すること。実際の方法としては、睡眠、催眠、酩酊などで適切に没我の境地へ導く「没我力支援」、身体や感覚を研ぎ澄ませて、霊感や六感を増加させる「直感力支援」、無意識の次元に立ち戻って、自らの原点を確認し、それを社会に向けて広げさせる「自己対面力支援」などが考えられます。

象徴力の強化を支援すること。例えば、個々人の意識下に潜んでいる元型に出会えるような機会を増やす「象徴・元型支援」、宇宙、大地、山野、大海など、潜在意識の中から「絶対に変わらないもの」を探しだして、体験させる「不変物信仰支援」、普遍かつ壮大なものに触れさせて、私や個を超えた次元を体験させる「集合的無意識支援」などが考えられます。

いずれの行動についても、圧倒的な記号の洪水に対抗していくには、非記号的な力の拡大を支援することが求められます。それは、水平的な「差異」の強調よりも、垂直的な「根源」へ下降していくことを意味しています。記号のネウチが記号相互間の違い、つまり「差異」に基づいている以上、その跳梁を打ち破るには差異」よりも「深化」を重視することが求められるのです。

差元化の基本的な方向とは、私たちの生活の根源を深めることといえるでしょう。


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