2017年11月30日木曜日

供給者が“脱・真実”へ対応するには・・・

第1の視点、つまり「日常界で使われている日常言語(交信言語)は、表層言語(観念言語)と深層言語(象徴言語)に挟まれた言葉である」という立場から見ると、フェイクニュース脱・真実の拡大という社会情勢に向けて、供給側が対応していくには、次のような姿勢が求められるでしょう。



深層言語(象徴言語)には介入しない。

この言語は生活民一人ひとりの遺伝的・生活歴的な次元から生まれてくるもので、それぞれの「言語感覚」を形成しています。

日常言語以前のイメージ(元型)やオノマトペ(擬声語)など、意味するものと意味されるものが一体化しているうえ、真実と虚構が仕分けられる以前の混沌たる状況もまた示しており、生活民の言語能力や判断能力を培う源泉となっています。

それゆえ、供給側としては、CMやキャッチフレーズなどで、この次元へ強引に介入していくことは極力避けるべきでしょう。

表層言語(観念言語)には慎重な提供を。

この言葉は記事や解説、報告や論文、文学や評論などで、観念や概念といった抽象化された記号として使用されています。

一般的には、真実を表すことを目的としていますが、遊戯や文学などでは虚構を表現することも重要な役割です。

このため、供給側がネーミング、ブランド、ストーリーなどで、この種の言葉に関わる場合には、予め真実か虚構かを明示するか、容易に判断できるものとして、慎重に提供していくことが求められます。

日常言語(交信言語)には是々非々で対応。

この言語は私たち生活民が会話や交流文通やメールなど日常的に使っているものです。

深層言語と表層言語に挟まれた言語空間の中で使用されていますから、当然のように嘘と真実が混合しています。

供給側が直接介入することはありませんが、使用される言葉に大きく影響を与える立場にありますから、①②の両方の視点に立って、生活民が真偽両方を巧みに享受できるように、有力な応援者として対応していくことが求められるでしょう。

SNSやAIが急伸する時代であればこそ、供給側の言語行動にはいっそうの慎重さが求められるのです

2017年11月20日月曜日

差真化行動に対応するには・・・

生活民の差延化行動や差元化行動に対応する供給側の対応を述べてきましたので、次は差真化行動への対応を考えていきます。

生活民は「真実」を超える!:2017年8月31日】で述べた通り、生活民とは「真実」よりも「虚構」から「日常」や「真実」を眺める主体です。

この課題を考えていくには、次の2つの視点が必要だと思います。


①日常界で使われている日常言語(交信言語)は、表層言語(観念言語)と深層言語(象徴言語)に挟まれた言葉である。

“象徴”力の向上でウソとマコトを見分けよう!:2017年7月19日】で述べたように、言葉には音声記号や活字記号など「表層意識において理性が作り上げる言語」と、無意識をとらえる「深層意識的な言語」があります(井筒俊彦『意識と本質』)。

この視点を拡大すると、【
身分け・言分けが6つの世界を作る!:2015年3月3日】で触れたように、生活体の縦軸には「コト界(言語界)」「モノコト界(認知界)」「モノ界(感覚界)」の3つがあり、それぞれの世界ごとに使われる言葉もまた、表層言語(観念言語)、日常言語(交信言語)、深層言語(象徴言語)に分かれてきます。

表層言語(観念言語)は、観念や概念など抽象化された記号として使用している言葉。
日常言語(交信言語)は、会話や文通などで日常的に使用している言葉。
深層言語(象徴言語)は、日常言語以前のイメージ(元型)やオノマトペ(擬声語)などのって表される言葉。


②日常界とは真実界(儀礼界)と虚構界(遊戯界)に挟まれた世界である。

前後軸が作る3つの生活願望・・・真欲・常欲・虚欲:2015年3月13日】で詳しく述べていますが、生活球の縦横軸で見ると、私たちの生活世界は言葉の示すことはすべて真実とみなす「真実界(儀礼界)」、逆に言葉の示すことはすべて虚構とみなす「虚構界(遊戯界)」、これら2つの狭間にあって真偽が曖昧なままの「日常界」の3つから構成されています。

儀礼界とは、言葉の示すことを全く疑わないで、すべてを真実とみなすメタ・メッセージの場であり、儀礼や儀式に代表される空間。
日常界とは、真実と虚構の二つの空間の狭間にあって、虚実の入り混じった場であり、私たちが毎日暮らしている日常の空間。
遊戯界とは、言葉の示すことはすべて虚構とみなしたうえで、その嘘を楽しむメタ・メッセージの場であり、遊戯やスポーツに代表される空間。

生活民の真化行動へ供給側が積極的に対応していくには、以上のような①と②の視点をクロスさせることが必要です。

それは【
生活体マンダラ・立方界を提案する!:2015年3月22日】の中で提案した生活体マンダラの中の一つ日常界に相当します。

供給側はこの世界に対して、どのように対応していけばいいのか、多面的に検討していきましょう。


2017年11月10日金曜日

感覚次元への3つの対応

生活民の差元化行動に向けて、供給側の行うべき、3番めの方策は感覚次元への対応です。

感覚次元への差延化行動とは、個々人の「身分け」能力、つまり五感や六感などの感覚を鋭敏にして、記号や常識の創り出す、過剰な幻想を乗り超えていくことです

いいかえれば、言葉や記号をあえて外し、身体性や直感性、原始性や動物性などの身体能力の回復を意味しています。

こうした力を取り戻すには、一旦は理性的、合理的な鎧を脱ぎ捨て、直感的、感覚的な裸身をさらけ出していくことが必要です【
差元化とは何か?:2015年8月20日】。

それには、野性的な動物性出生直後の乳児性などの次元に立ち戻って、視覚・聴覚はもとより味覚・嗅覚・触覚、さらにはそれらを統合した直覚(六感)を再生・強化させていかなくてはなりません。

今後、人口減少や飽和・濃密化で日本社会の閉塞感はますます強まっていきます。そうした環境の中で、生活民の感覚再生・強化願望もまた高まっていくとすれば、供給側にもそれなりの対応が求められます。

その方向としては、①原始・野性化支援、②五感力支援、③直観力支援などが考えられます。 


原始・野性化支援・・・記号化された常識的世界を脱力化するため、自営キャンプ、登山、水泳、潜水、ウォーキング、ランニング、ペット飼育などを通じて、生身の人間力を再生・強化する商品やサービスを提供していく。

五感力支援・・・現代生活の中でややもすれば衰えがちな五感力、具体的には視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚力を再生・強化するため、食品・サプリメント、刺激臭・激辛食品、高周波音・低周波音、超高温・超低温などの関連商品や関連トレーニングを提供していく。

直覚力支援・・・五感力を統合して得られる直感(直覚)力を支援するため、休養や睡眠、快感や快汗などを深める商品やサービスを見直し、あるいは新たに創造して提供する。

以上のように、感覚の再生・強化を求める生活願望に対しては、従来の理性や日常性を積極的に超越する、大胆な対応が求められるでしょう