2017年12月30日土曜日

差戯化行動に対応するには・・・

差真化行動に対応する供給側の課題の次は、いよいよ差戯化対応です。

生活民の差戯化行動とは、【
メタ・メッセージで「虚構」を遊ぶ!: 2017年7月6日】で述べた通り、次のような二面性を持っています。

①言葉の持つ規範性を敢えて無視し、怠惰、虚無、浪費、蕩尽などへまっしぐらに転落していこうとする消極的な弛緩行動であり、個人次元でいえば目標や規律を外した怠惰や惰性、経済次元でいえば節約や貯蓄を無視した浪費や蕩尽などが該当します。

②言葉の虚構性をむしろ認めて、遊戯、ゲーム、模擬、混乱などを思い切り楽しもうとする積極的な遊戯行動であり、個人次元でいえば息抜きのための遊戯や遊興、社会次元でいえば大衆的なスポーツやエンターテインメントなどが該当します。


この二面性に向けて、供給側では【
差戯化の4つの戦略:2015年12月14日】で述べたように、浪費・蕩尽戦略、虚脱・混乱戦略、戯化・模擬戦略、ゲーム・競争戦略の、4つの対応が従来から行われてきました。 

生活民マーケティングという視点に立つと、このような供給側の戦略はどのような配慮が必要なのでしょうか。多面的に検討していきましょう。

2017年12月22日金曜日

物語消費から神話消費へ!

繊研新聞・繊研教室(2017年12月19日)に寄稿しました! 

携帯電話会社のCMで、「白戸家」シリーズ(ソフトバンク)と「三太郎」シリーズ(KDDI)の競り合いが注目を集めている。2007年開始の「白戸家」は、CM好感度1位を7年連続で維持してきたが、14年度以降は「三太郎」に抜かれたままだ(CM総合研究所調べ)。そこで、「白戸家」側も17年の秋から大幅に構成を変えて、巻き返しを図っている。
・・・以下は http://gsk.o.oo7.jp/insist17.html#mono


2017年12月10日日曜日

供給者は真実言語には介入するな!

第2の視点、つまり「日常界で使われている日常言語(交信言語)は、言葉の示すことはすべて真実とみなす真実言語(儀礼言語)と、言葉の示すことはすべて虚構とみなす虚構言語(遊戯言語)に挟まれた言葉である」という立場から見ると、フェイクニュースや脱・真実の拡大という社会情勢に向けて、供給側が対応していくには、次のような姿勢が求められるでしょう。


真実言語(儀礼言語)の世界(真実-儀礼界)で使われている言葉は、すべてが真実を表象していますから、供給側もまた絶対にこのルールを破ってはいけません

虚構言語(遊戯言語)の世界(虚構-遊戯界)で使われている言葉は、すべてが虚構を前提としていますから、供給側は思う存分にフェイクを発信することができます。

日常言語(交信言語)の世界(虚実-交信界)で使われている言葉は、まさに虚実の入り混じったものであり、供給側もまた真偽いずれでも選ぶことができます

このように虚実軸からみると、生活民自身がそれぞれの生活空間の中で虚実の混在を楽しんでいる以上、供給側にもまたそれに応じて、虚実それぞれの情報を提供していくこと許されます。

しかし、注意すべきは、マスメディアやマーケティングなどの供給側が、ともすれば真実言語(儀礼言語)の世界にまで踏み込んで、同時代に使用されている言語の真偽基準をしばしば乱していることです

供給側が、意味する言葉と意味される対象の間に敢えて介入する場合には、とりわけ慎重な対応が求められるでしょう